「先生」
屋上へ続く階段。
嫌味なくらい透き通った空。
その空に二つの煙が上る。
卒業
卒業式も終わり、涙で汚れた同級生達を摺り抜けて誰よりも速く階段を駆け上がる。
擦れ違う度に先生達が声を掛けてくれていた気がするが、立ち止まることはなかった。
自分の教室までたどり着くと、勢いよく扉を開ける。
(ここじゃない・・・)
また階段を上る、いつものペースで。
ゆっくりと息を整えながら、最上階まで来た。
この重たい扉の向こうに、自分の望む人はいるのだろうか。
三年間、この場所で肩を並べながら
他愛もない話をした。
あの頃には戻れないけれど、
とても、大切な思い出。
先生、もう会えなくなるから。
先生、これで煙草も辞めるから。
先生、俺のことなんかすぐに忘れるだろ?
だからさ、先生
好きって一言、言わせてくれよ。
優しいアンタは、気の迷いくらいにとってくれるだろ?
困った顔して笑いながら、「ごめん」って言うんだろ?
適わなくていいから、伝えたいだけだから。
一度だけでも。
「先生」
扉の向こうには
「・・・土方?」
変わらない
「俺・・・」
あの空が
「言いたい事があって」
嫌味なくらい
「・・・さようなら」
透き通っていた。
ぱっつちは悲しい前提ではっぴーえんどへ送り込まれればいい。
続く予定ですが...沖田が絡むのよねああん書きづらい。