言葉はいらない
好きだといって
 
約束がほしい
キスをして
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
Basic
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「先生抱いて」
 
 
 
黒髪の美少女は扉を開けるなりそう言った。
 
 
前触れなく、唐突に。
恥ずかしがる様子も見せず、艶やかな髪をなびかせて
真面目で清潔そうな生徒、土方十四乃はただ堂々と現れた。
 
先生、と呼ばれた人物-
保健医の高杉晋助は数秒固まり
ふ、と息をつく。
 
「…この前まで乳飲んでたガキがほざくな、却下」
 
 
玉砕。
 
だが彼女はひるまなかった。
もともと鋭い目尻を更に吊り上げて唇を噛む。
 
すっと高杉へ近づいた。
 
「俺じゃ勅たねぇ?」
 
哀しそうに瞳を揺らす。
じっと鈍くギラつく紫と漆黒を合わせて、儚げに睫毛を震わせた。
 
 
惜しくも反応はない。
 
だが微かに何かを考えているような顔つきに変わる。
 
 
いけるか、ダメか。
胸の中で期待と不安が混じり合う。
 
 
高杉は沈黙を好んだまま、ギッとスプリングがきいたチェアから立ち上がった。
土方の長い髪をするりと指にかけ、徐々に距離を縮める。
 
 
-やった…!
 
 
不安の色を打ち消して、瞳を輝かせた。
先生に抱かれたい一心で。
 
 
 
 
 
 
「…抱いてやるよ」
 
 
期待通りの言葉に心臓が一段と大きく高鳴った。
 
 
 
 
 
ああ、やっとか-
 
 
 
 
レッツ脱処女!!
 
 
バクバクと波打つ鼓動の音が煩い。
吐息のかかる距離、ふんわりと香る香水が土方に眩暈を覚えさせた。
 
高杉はニッと口許を結い、優しく細い肩を抱きしめる。
 
 
 
 
-ん?
 
 
「満足か?」
「………………」
 
 
あれ、なんか違くない?
 
 
「だーっ!!違う!そうじゃない!!」
「いち、に、さん」
「だーっ!!ってこれもちが…!!」
 
 
違う違う違う。
そういうことじゃない。
 
抱け、というニュアンスが違う。
日本語って難しい。
 
 
 
確かに土方は抱いてくれと言った。
でも抱擁の意ではなく。
 
 
高杉の胸に収まりながら、ぐるぐると頭を回転させる。
 
きっと単刀直入にハッキリと申し出たほうがよかったのだろう。
ああもう失敗だ。
 
 
冒頭の勢いは去り、恥ずかしさが全身を満たした。
 
 
高杉は天然でこうしているのか、
はたまたおちょくっているのか、
心情が掴めない。
 
もしおちょくっているのなら
一発クリーンヒットを決め込みたいところだ。
 
 
うーん、と唸って額をぐりぐりと押し付ける。
羞恥で顔を上げられない。
 
そんな土方を知ってか知らずか、
恥じらいに追い討ちをかけるよう、高杉が囁いた。
 
 
「…足りないか?」
 
その言葉にバッと胸から顔を引きはがす。
低く響いた声が身体の芯を熱くさせ、戸惑った。
 
瘴気とも似た何かに当てられそうで、土方はぶんぶんと頭を横に振る。
 
「充分です、滅相もございません、スミマセン」
「抱いてほしいんだろ?」
 
ククッと笑いながら、離れていった土方の腕を掴んで
また自分のほうへと引き寄せる。
 
「~~っ!!」
 
 
どうしようどうしよう。
 
高杉の顔が先程より間近にあって、土方は金魚のように口をぱくぱくさせた。
 
混乱している土方を余所に、高杉の冷たい手が華奢な土方の身体を這る。
膝小僧からつつ、と人差し指が通って、乱れたスカートに手が入った。
それはゆっくりと若く弾力のある太股を撫で、焦らすように土方を煽る。
脚だけでは飽き足らず、その手は徐々にもっと奥深くへと伸びていく。
く、と下着の割れ目に指が這った。
 
 
本当にやるのか。
自分の蒔いた種に、土方はたじろいだ。
先生の顔から大人の男になった高杉を見つめ、またしても瞳を揺らす。
 
「せんせっ…いいって…!」
「あァ?いいってどこが」
「そうじゃな…ああんっ」
 
高杉の手が下着越しの花芽を掴んで、自分でも聞いたことのないような高い声があがった。
少し濡れそぼったソコをくちゅくちゅと擦り上げると、土方は堪らず高杉に寄り掛かる。
 
「やぁぁ…せんせぇっ…」
「…なんつー顔してやがる」
 
縋り付いた土方と目が合い、うっと息を詰まらせた。
初めて感じるソコからの刺激に、どうしていいか分からないといった顔で
目尻に涙を溜めている。
 
 
先生、先生、と助けを求めるように呼ばれて、たまらなく身体が疼いた。
たかが17歳のガキにここまでの威力があるとは。
末恐ろしいと小さく呟き、下着の中へ指を侵入させた。
 
「ぁぅぅ…入っちゃぅ……!」
「まだ押入れねぇよ」
「ひゃぁぁん」
 
安心させるように触れるだけの口づけを送り、浅い部分を指で掻き回す。
煽られて蕩けていたソコは初めてとは思えないほどたやすく高杉の指を飲み込んでいく。
内側を広げるように二本目を差し込んだ。
中に段々と増えていく圧迫感が気持ち悪くて、生理的な涙がこぼれ落ちる。
嫌悪感を紛らわそうと、高杉は空いている手で花芽を摘んだ。
引っ張ったり、弾いてみたりと、腰が疼くようなびりびりとした淡い快感が土方の中に生まれる。
 
「ぁ、ぁ…せん、せぇ……やあああンっ!」
 
頃合いを見計らって、指が深く押入された。
先程までは気持ち悪さしか与えてくれなかった蜜壺は、徐々に土方へ鮮やかな快感を伝える。
花芽を弄る手はそのままに、ぐぷぐぷと泡立つまで出し入れを繰り返した。
深く押入れると喜んで迎えられ、抜け出ようとすれば指をきゅっと締め付けられる。
 
底の見えない快楽に、若い土方の身体は素直に溺れていった。
 
「ふぁ、……んっ…なんか、きちゃう…!」
「イきそうか?」
 
放尿のときと似た何かが土方を襲う。
そろそろか、と高杉が指の動きを早くした。
 
「んっんっ、そんなしたらイっちゃ…!」
「…イけよ」
「きゃぅぅぅっ!!」
 
最後に花芽に爪を立てて抓ると、土方は子犬のような泣き声をあげて達した。
ぷしゃああっ、と潮が噴き出て、高杉の白衣を濡らす。
 
「潮まで出るとは優秀だなァ」
 
呑気な声でそんなことをいいながら、
絶頂の余韻にビクビクと身体を痙攣させている土方を抱き起こした。
 
「は、ぁ…せんせえ……」
 
半分意識の飛び掛かっていた土方だったが
何とか気を持ち直し、高杉の背中に腕を回し
て抱き着く。
それを受け止め、高杉は少し汗ばんだ土方の白い額にキスを落とした。
 
 
呼吸が調うまで土方は広い胸の中に留まり、考える。
 
 
 
 
 
 
 
ついにここまでやってしまった。
 
 
正直逃げ出したいほど恐かったが、今は嬉しくて仕方ない。
付き合い初めてはや二年。
 
思えばこの男は土方から促さないかぎり
指一本触れてこなかった。
 
「こいつもしかしてインポなんじゃねぇの?」とか疑ったりもした。
そのことについては申し訳ない、謝る、ご健在ですねすいません。
 
 
時折獣のような目で自分を見つめるくせに、
まるでガラス細工のように大切にされて。
 
それも確かにむず痒くはあるが、幸せだった。
 
てっきり自分の身体には興味がないとさえ思い始めた今日この頃、
勢いに任せて言ってみたのだ。
 
 
絶対に言いたくない言葉を。
 
 
ここまできて本番をしなければ、女が廃る云々
-その前にプライドを汚されたようでなんだか嫌だ。
 
 
頭の中を素早く整理し、こほんと咳ばらいをする。
 
 
「…………せんせ」
「ん?」
 
高杉に真正面から向き合い、ぐっと息を飲み込んだ。
 
「続き、…シて?」
 
 
ことんと小首を傾げて誘う。
 
 
よく見ろ、この目、この首の傾き加減。
-完璧だ。
 
 
心の中でフフ、と勝利の笑みを浮かべた。
 
 
 
「……………」
 
 
 
 
-だが
 
反応は、ナシ。
 
 
待て待て待て。
 
そこは乗り気になってもらわなきゃ困る。
さっきどや顔で笑った自分が馬鹿みたいじゃないか。
 
あああああ誰か俺の斜めに傾いた首へし折ってくれ
 
 
「…だめ?」
 
 
 
死ぬ気のもう一押し。
 
ぐいっと顔を近づけた。
高杉がゆっくり瞬きをする、と同時に薄い唇が開く。
 
 
「後悔してもしらねぇぞ」
「せんっ…んんぅ」
 
喜びの声は深い口づけによって塞がれる。
呼吸するため控えめに開いた口から舌が差し込まれ、
ねっとりと絡んで付け根をじんと甘く吸われた。
 
噛み付くようなキスに息があがる。
 
苦しくなって高杉の胸板を弱々しく叩いた。
土方の酸欠に気づき、唾液の糸を引きながら唇が離れる。
 
「はっ、ぁ、ん…」
 
ビショビショになっていた下着を剥ぎ取って、スカートを巻くしあげた。
秘所を突き出すようにして高杉の前に膝立ちになる。
先程散々解されていたため、蜜壺は突然入ってきた指でも誘い込むように受け入れた。
三本指でぐるりと中の様子を確かめるように掻き交ぜられ、ふるりと睫毛が震える。
 
「痛かったら先生のこと殴るかも」
「その前に足腰立たなくしてやるよ」
「…上等」
 
ぺろ、と赤い舌を覗かせて、乾いた唇をなぞる。
あくまで対等でいたいから、強気の姿勢を見せた。
 
そんな土方を数秒見つめて、高杉は低く笑う。
 
 
「ガキだと思ってたんだがなァ」
「なん…っあぁぁあン」
 
高杉の呟きを聞き返そうと発した声は、一段と大きな喘ぎ声に変わった。
 
押入ってきている。
先生のモノが。
 
何かの破れた音が小さく聞こえた気がした。
 
今まさに、土方の蜜壺の中で脈打っているモノへと全神経が集中する。
予告なく押入されたにも関わらず、蜜壺は高杉をうねる中へ誘導するような動きをみせた。
中をいっぱいに満たされて、苦しげに息をつく。
 
「せん、せ…!なにこれぇ……」
「痛いか?」
「痛くないけど……っひゃんん……おなか、いっぱい…!」
 
高杉の膝の上に乗っかり、無意識に自ら腰を揺らした。
蛇が這るようにゆっくりと中のモノを抜き、一気に突き落とす。
その繰り返しがたまらなく気持ちよくて、どうにかなりそうだった。
 
「とんだ淫乱」
「や、ぁぁ……んっあぁあ…」
 
高杉が負けじと腰を打ち付ける。
土方がゆっくりと快感を追い求めていたのにも関わらず、激しい押入が開始された。
着ていた白衣を乱暴に脱ぎ、床に敷く。
その上に土方の身体を乗せて、腹に膝がつきそうなくらい
脚とともに細い腰を持ち上げた。
 
「お望み通りに、押入ってんぜ」
「な、に……ぁ、んん」
「ほら」
「!!」
 
快感についていくことに必死で、不意に見たその光景が土方の鈍った頭へ衝撃を走らせる。
膜を破ったことで蜜壺からは赤い血がしたり、
高杉のモノを美味そうに呑みこんだソコは限界まで広がって
ピンクに近い色をした内側はちらりとこちらを覗いている。
 
 
本当に繋がっているのか。
この中を満たすものは、紛れも無く先生のモノ。
 
縋るものがほしくて、先生の匂いが染み付いた白衣を握った。
それに気づいた高杉が、ぐいっと腕を首に回させる。
 
「ぁ……?」
「それよかこっちのがいいだろ?」
「…せんせ」
 
首を回った手にぎゅっと力を込めた。
肩口に顔を沈めて、赤く染まった顔を隠す。
ゆるやかになった刺激にほっと息をついて、口を開いた。
 
「…もし…」
「ん?」
 
高杉の指が優しく、愛おしそうに髪を梳く。
それが心地よくて、うっとりと目を細めた。
 
「…もし俺が警察で、先生がテロリストだとしても…」
「なんだァ、いきなり」
 
不思議そうな声で高杉が問う。
それでも気にせず土方は言葉を続けた。
 
「猪と牛だったとしても、男同士でも、人間じゃなくても…」
 
顔を上げて、真っすぐに瞳を見つめた。
鈍い色をしていた紫は、少し透き通った色を土方に見せる。
 
 
「見つけてみせる、………だから先生」
 
 
瞬きをして、微笑んだ。
 
 
「大好きだって、言わせろよ?」
「……!」
 
 
 
きっときっと
時を越えても、必ず追いかける。
 
願いを込めて呆然とした先生に
羽のようなキスを送った。
 
 
「…上等だ」
 
高杉はいつものようにククッと喉を鳴らして
左目にかかった前髪を掻きあげた。
 
 
そして、土方の耳元に唇を寄せる。
 
 
 
 
 
「」
 
 
 
 
 
 
耳打ちされた言葉を誓い合った春の木漏れ日。
 
 
淡い花咲く今日この頃、
約束をして、キスをする。
 
 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私がどれだけチチに興味ないかが分かると思います。

だって描写が一ミリもないからね!

嘘です書き忘れただけですおっぱいだいすきですふがふが。

エロはギャグいれないとむなしくなるんだよなあ。

はっ!わたしなにかいてんだっ!ってなるので...お粗末様でした。

高土春祭りに提出させて頂いたものでした~

 

 

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